薄っぺらい製缶

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製缶5種類。
自動車部品を加工する専用機の部品だと思います。
こちらを加工したのはOさん。( http://xn--qckn4dud5e146u9qq.jp/article/366970511.html )
非常に手早く完成させていました。
この製缶は板厚10mmで薄くて、けっこう強度が弱いためクランプひずみで平面度や直角度を悪化させないようにクランプしたり、加工時にビビらないように調整したりなどの段取りテクニックが必要なものです。
3D加工で金型みたいなのブイブイ加工してると高尚な仕事をしてると思いがちですが、ウチでは製缶の加工のほうが高レベル技術者向けです。
人間の手作業がそのまま精度に反映されるからです。
こういった部品の図面は最終製品を組立てたり、機械を使用するうえで要求されるにもかかわらず、設計者が図面に平面度や直角度、穴位置度などの”幾何公差”を書かないことが多く、加工者まかせになっています。
「L字型のブラケットなんだから直角に作るのは当たり前でしょ~」
という感じです。
サラリーマンだった時はごていねいも顧客に図面を修正するように依頼して明確化してもらっていましたが、現在は最終製品での部品の使われ方を想像して”意図を汲む”ようになり、あまり製図者に指摘しなくなってしまいました。
1回しか作らない機械で図面を何百枚も出図し、次から次へといろんな機械を作っていく業界であるため、あんまり図面にこだわってられないのです。
加工者が機械に対する深い知識を持っているのであれば、”常識”に頼るのはある程度良いやり方かもしれないですね。
加工者の常識レベルが高い所にあれば、「なんだか御社で作った部品は組み立てやすいですね~」とか「他の会社で作ってた時は部品がよく壊れてて大変でしたが、なんだか御社で作った部品は長持ちしますね~」とかお客さんの所に行ったときに言ってもらえるわけです。
価格や納期遵守率、不具合率のように定量的に評価できるものじゃないので、お客さんのマネジメント層には理解されないところですが、薄っぺらいデータ(たとえば価格が安いとか)を理由にして加工業者を選ぶと小銭を稼げても顧客の信頼を失うことになるんですよ~と説明。。。したいもんですね。

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